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その4 家具をオーダーメイドで

うたた寝できる、私だけの椅子。

ヨーロッパの街を歩くと、あちこちで家具の修理店を見かけます。お気に入りの家具を修理しながら代々使い続けることが、どの家庭でも当たり前に行われているのです。そこには、日本人が忘れかけていた「ものを大事にする心」があるように思います。リフォームに合わせて、身のまわりの家具や調度品を見直すなら、そんな愛着のもてる品を一つ、二つ、買いそろえるのも楽しく、環境にやさしい暮らしにもつながります。

たとえば、いつも使っている椅子。なんとなく座り心地が悪いけれど、こんなものだとあきらめていませんか。それは、体にフィットしていないからかもしれません。スーツを特注であつらえるように、椅子も体型に合わせてオーダーメイドすることができます。つくり方は、ていねいな採寸から。専用の計測用椅子に座って、座面の高さや奥行き、アーム(ひじ掛け)の間隔・高さ、背もたれの角度・高さを検討し、いちばん心地いいと感じられる寸法を決めます。目安として、座ったとき、ひざが直角に曲がるように座面の高さを設定すると、腰がまっすぐ伸び、長時間座っても疲れない椅子になります。

寸法と並んで、座り心地を左右する重要なポイントが、クッション性です。現在、椅子の中材はウレタンが主流ですが、しばらく使うとどうしてもへたってきます。そこで、オーダーメイドで椅子をつくる際は、コイルスプリング(バネ)を採用しています。コイルスプリングはへたることなく、ほど良い硬さを長く維持できるのです。ただ、バネを密に張っていくには熟練の技術が必要で、日本で扱える家具職人は少なくなってきました。同じように、構造の枠組みにも匠の職人技が求められます。隅木や補助金具を一切使わない「ホゾ組み」と呼ばれる伝統の技法。ホゾに角度をつけることで、百年経っても抜けないほど頑丈につくり上げています。

好みのデザインや張り布を指定し、家具職人の手で丹念につくられた椅子は、まさに1点もののパーソナルチェア。読書やテレビ鑑賞しているうちに、ついうたた寝してしまうほどの心地よさです。十年、二十年と使うほどに味わいを増し、張り替えを繰り返しながら、末永く愛用していただけるでしょう。


● お話を聞いた人 … 永田 耕一さん( 神戸で百三十余年の歴史をもつ老舗家具店、永田良介商店 5 代目店主)

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