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Trend & topics トレンド&トピックス11 『LED照明』で生活スタイルを見直す

家族を見守る身近なあかりは行為ありきで決めるべし

「エコで節電」が声高に叫ばれている昨今、家庭でできる省エネ方法を模索されている方も多いと思います。その中でとりわけ注目を浴びているのが「LED(Light Emitting Diode)照明」。街の量販店でも特設コーナーが設けられるなど、私たちにとって日に日に身近なあかりとなっています。
省エネの観点で注目を浴びているLED照明ですが、単純に電球を取り替えるだけでその効果を得ることができるのでしょうか?
LED照明の特徴やメリット、そしてデメリットを考慮に入れず、節電・節約にだけ焦点をあててよいものなのでしょうか?

雰囲気重視ではなく、生活環境に基づいた『照明設計』を考える

「白熱電球や蛍光灯と比べ、省エネ性能に優れ、寿命が長く、放射熱が少ないといったLEDならではの特徴は、環境保全の観点からもいまの時代に即したあかりだと言えます。同時に、これまでの快適性や演出効果が多少なりとも失われる可能性があることを知っておいたほうがいいでしょう」

お話を伺った折居さんは、照明器具の専門メーカー コイズミ照明のクリエイティブ・ディレクターとして、数々の照明器具や照明を中心に据えた住環境のあり方を提案してきました。「電球をそれ単体で考えるのではなく、照明器具とセットで考えなければ、快適性はもとより住空間として成立しません。LEDは直進性、蛍光灯は拡散性が強いといった特徴があります。天井を含めて部屋の隅々まで明るくしたい場合は蛍光灯が適しているように、雰囲気重視の照明ではなく、生活環境に基づいたあかりの『照明設計』を考えていただきたいですね」

  • 理想的な【照明設計】
  • 人の目的や生活行為にあわせて計画する。生活シーンや時間軸を考慮し、いつでも快適な光環境を計画する
  • 水平面、鉛直面、演出に分けて考えて計画する。それぞれの光の役割を考慮して、バランスよく計画する
  • 調光制御、照明コントロールが必要な場所を検討する。特に生活シーンが多用なLDK、主寝室は、照明シーンの考慮をする
温かみの中、家族みんなで『食事』をする場合。
子供が『勉強』するときなど、手元に集中する場合。
しっとり落ち着いた雰囲気で『お酒』を楽しみたい場合。
時間帯によって部屋のあかりを変えることで、人間の身体に負荷がかからない自然な照明を生み出します。

適材適所ならぬ“適所適光”

LED照明の最大の特徴は、天井から床までスパッと光が届く指向性の強さにあります。それゆえ注意しなくてはならないのは、クロス、壁紙の材質などによって、光が下地を映し出してしまう点です。これは壁までの距離や、狙い通りの効果を演出するために、あかりを理解できれば(できる人がいれば)クリアできる問題ですので、折居さんが口にする「壁も照明器具として考えてほしい」という言葉には重みがあります。

適材適所ならぬ“適所適光”。必要な場所に必要な種類の光をあてるには、まずはその家での生活行為を考える必要がありそうです。

近年の流行で一例を挙げると、このところ部屋の主役がリビングから「ダイニング+キッチン」へと移行しているのをご存知でしょうか。家族だんらんも子供が勉強するのも、キッチンの横に据えたダイニングテーブルで、といった家庭が増えています。「ダイニングが食事をするだけの場所ではなくなったことで、料理を美味しく見せつつ、お互いの顔をやわらかく照らす必要が生まれたのです。言うのは簡単ですが、実現にはかなりの時間がかかりました」

LEDと組み合わせて生活シーンに最適なあかりを

家族でのおしゃべりに適した、やわらかに拡散された光は面光源で作る必要があります。一方、料理にツヤやテリを出すのは点光源の仕事。それでないとせっかくのご馳走がのっぺりしてしまい、どうにも美味しそうでなくなってしまいます。そこでLED照明の出番です。

点光源であるLEDの光は、本来影が出やすいため、手元を照らす──たとえば勉強するときのように手先に集中するような場合に不適当です。そこでコイズミ照明では、LEDとそれに最適な照明器具を組み合わせることで拡散光を実現し、白くて明るく手元が影にならない光を開発しました。「これもまた“行為ありきで光源を”の最たる例でしょうね」と、折居さんは胸を張ります。「多様化する生活様式の中で求められるあかりは、今後さらに細分化されると思います。そうした流れを鑑みても、今後、私たちの生活を照らすあかりの中心は、まずまちがいなくLED照明でしょう」

LED照明の次代を担うのは有機EL照明だと言われていますが、業界内での競争原理が働いていないこともあってまだまだ過渡期にあります。その点LED照明はすでに世界中で流通しつつあり、需給バランスの安定が著しく、気になるコストに関して折居さんは「そう遠くない未来に(電球一つ)1000円を切る」と言います。
日本は古来からあかりの文化度が非常に高い国でした。たとえば茶の道。玉砂利に反射させた光を茶室の窓に通し、畳奥の金屏風で室内に返して茶器を照らす。自然の光をうまく取り入れる工夫がなされていたのです。

省エネはもちろん、生活にハリをもたらすためにも、日々のあかりについてしっかり考えるのがよさそうです。

リビングとダイニングといったように生活行為が異なる場合は、
部屋によって蛍光灯とLED照明を使い分けてもOKです。

目を疲れさせず、快適性を高め、壁面を一定に照らす。
LED照明にしかできない光を、新型レンズの開発で実現しました。

〔取材協力〕 コイズミ照明株式会社 東京支社 HM設計室 室長 クリエイティブ・デザイナー 折居直純さん

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