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Trend & topics トレンド&トピクス13『国産木材』を教育現場に活かす

いまこそ子供たちに伝えたいホンモノの木の香りとぬくもり

美し国・日本。空からこの国を眺めたことがある方ならおわかりでしょう。私たちは太古の昔から、木々とともに日々をくらしてきました。
 
ただ、現在流通している日本の国産材は、戦後の復興政策の一環として発展してきたものです。国の財産である森林を戦後の日本を支える建築資材に活用するべく、積極的な植林政策をおこなってきました。
 
その中でも高い知名度、生産量を誇るスギやヒノキの建築利用がいっこうに進みません。コストと強度性能とのバランスから、本格的な和風建築以外では輸入木材や新建材(工業製品)に代替化されてしまっているからです。「木製家具の表面に保護用の油を塗ることがありますが、あの匂いを天然木の香りと勘違いする方がかなり多いのです。大人でさえこういう状態ですから、子どもたちには“木”との正しい付き合い方をしっかり伝えたいですね」
 
このように語るのは奈良県桜井市で島家具製作所を経営する島康記さん。同社はもともとタンスなどの実用家具を百貨店に卸していた、いわゆる“ハコモノ家具屋さん”でした。出身地でもあり、材木業が盛んな吉野の地に島家具製作所を設立した父親と共に、オーダーメイドの木製キッチンなどのさまざまな生活家具を作っています。

子どもたちの “木離れ”について
問いかけていきたい

いまや産地を問わずどこの木材でも手に入る時代ですが、産地、つまり地場には人が自然と集まってくるものです。吉野といえばヒノキ、そしてスギ、“家具産地”として有名な福岡の大川、広島の府中など、木材そのものに需要がある場合はもちろんのこと、木工加工の技術力、芸術の粋まで高めた職人がいるからこそ、人とモノが集まってくるのです。地場に根付いた産業だということがよくわかります。「冒頭のお話にもありましたが、国産材の窮地や子どもたちの“木離れ”について、なんらかの形で問いかけていきたいとずっと考えていました。仲間内でも『なにか具体的なアクションを』という話題にはなる。だけどだれも具体的な方策を思いつかない。そんなとき、桜井市の木材協同組合から『地場の木材で地元小学校の学童机を作ってもらえないだろうか』という相談を受けたのです」

地元の木が地元の学校に。子供たちの成長を見守る存在です。
地元の木が地元の学校に。
子供たちの成長を見守る存在です。
学校への納入前に、工場に並んだ机と椅子。一つ一つに想いを込めます。
学校への納入前に、
工場に並んだ机と椅子。
一つ一つに想いを込めます。
刷毛を手にとり、おそるおそる塗装初体験。
刷毛を手にとり、
おそるおそる塗装初体験。

家具を購入いただいたご家族に向け、地域の子供たちがホンモノの木と触れあえるイベントを開催しています。


工場スタッフ顔負けの真剣な表情。
工場スタッフ顔負けの真剣な表情。
作業仕上げと拭き取りは家族総出の大作業。
作業仕上げと拭き取りは家族総出の大作業。

 “自分だけの机”を使うことで、大切にモノを扱う心が育つ

これまでキッチンや戸棚などを作ってきた島さんにとって、机や椅子を手がけるのはいわば新たな挑戦でした。いわんや学校につかう勉強道具であればなおさらです。「すでに同じ取り組みをしていた静岡の会社から机と椅子を取り寄せて研究。その結果、変に背伸びをせず、その時点で私たちが考えるベストのものを作ることを心がけました」と振り返ります。

天板と座面には吉野の森が誇る天然スギを、その他のフレームにヒノキを用いた机と椅子は、初めて依頼を受けた一昨年の冬に240セット、今年(2011年)は90セットが納入されました。現在学校側と相談しているのは机と椅子の高さ調整について。可変式にすることで、1年生から6年生まで勉強机といっしょに大きくなるわけです。「学年は変わっても6年間を通して“自分だけの机”を使うことで、大切にモノを扱う心が育ちます。ぜひ実行したいですね」と意欲的です。

日本の木のよさを体感させて感性の優れた人間に育てる

新建材や化学塗料で覆われた木材が生活の主流にある以上、本来の木の温かみを知る人が減りつつあるのはしかたがないことなのかもしれません。ただ、子どもたちに“五感から伝わる日本の木のよさ”を体感してもらい、感性の優れた人間に育てるのは私たち大人の役目ではないでしょうか。

キッチンや家具を選ぶときに、既製品、オーダー品、海外品といった選択肢に“木製”を加えてみるのも立派な子育てになるかもしれません。そして─「先行きの見えないこのご時世、殺伐とした空気の中、せめて自宅ぐらいは温もりに包まれていたいと、木製家具に癒しを求める大人たちがとても多いんです。子どものためだけでなく、自分自身のためにもぜひ“ホンモノの木”を探してほしいですね」

自然の光をたくさん取り入れるため、窓を手元と上部に取り付けられました。自然と人が集まります。
自然の光をたくさん取り入れるため、窓を手元と上部に取り付けられました。
自然と人が集まります。

島家具製作所が提案する、さまざまなタイプの木製オーダーキッチン。

長く外国暮らしをされていたお客さまの経験をキッチンに取り入れたプラン。レンジフードが目を引きます。
長く外国暮らしをされていたお客さまの経験をキッチンに取り入れたプラン。
レンジフードが目を引きます。
中庭を中心にコの字型に設計されており、キッチンに立つと玄関、リビングの様子が一目瞭然。家族が見えるキッチンです。
中庭を中心にコの字型に設計されており、キッチンに立つと玄関、リビングの様子が一目瞭然。家族が見えるキッチンです。

〔取材協力〕 有限会社島家具製作所 専務取締役 島康記さん
●島家具製作所 http://www.shimakagu.com/ ●JP.forme(ショップ) http://www.jp-forme.jp/ 0744-43-2638

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