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Trend & topics トレンド&トピクス17『スマートハウス』で賢く暮らす

理想の生活を叶えるにはまずは自分が“スマート”にならねば

今年に入ってから「スマートハウス」という文字を、新聞や雑誌でよく目にするようになりました。
聞いたことはあるけれど、具体的にどういったものかピンとこない方も多いのではないでしょうか。
 
スマートハウスとは、IT技術を活用して家庭内のエネルギー消費が最適化された住居のことです。
太陽光発電や蓄電池などのエネルギー機器、家電や住宅機器の電力消費を自動制御する仕組みを構築し、エネルギーをマネジメントすることで省エネ・省電力を実現します。スマートハウスがスマート(Smart=賢い)たる所以ですね。
 
「ただ現状は、電力の需給状態をモニタリングするだけでスマートハウスと呼ばれることもあり、単純に省エネを売りにした“エコハウス”との混同が目立ちます」
お話を伺った積水ハウス環境推進部の石田建一さんによれば、「消費電力の“見える化”によって節電を意識するだけではダメ。節電だったら節電で、自動的にそれが為されなければスマートハウスとは言えない」とのことでです。

スマートハウスの概要図 「スマートグリッド(次世代送電網)」を基盤に、エネルギー効率の高い地域づくりを目指す「スマートコミュニティ」の最小単位がスマートハウスだといえます。

“使う”“創る”“貯める”についてを自動最適化するのがスマートハウスの大きな特徴

ハウスメーカーを中心に、さまざまな形での市場への提案がなされているスマートハウスですが、各社が積極的に取り組むのは、日常生活で生み出されるCO2 削減などの環境保全的な観点や、光熱費の削減といったユーザーへのわかりやすいメリットを打ち出すためです。つまりスマートハウスの本来の目的は、少ない電力量でいかに快適なくらしを実現するかという点にあるのです。
「エネルギーの主な利用方法のうち、“使う”“創る”“貯める”についてを自動最適化するのがスマートハウスの大きな特徴です。 このうちの“使う”と“創る”に関しては、太陽光発電などに代表されるように以前から取り組みが進められていました。業界指針を大きく変えたのが東日本大震災です。3・11以降、人々にとって電気やエネルギーはほしいときにほしいだけ手に入るものではなくなりました。“貯める”が注目されるようになったのには、こうした理由があるのです」
従来の電力供給システムは、主に供給側が需給バランスをとっていました。そのために需要側、つまり私たち一般消費者は、特に意識をせずとも必要なときに必要な分だけ電気を使うことができたのです。

ただ、今回のように地球規模の災害が発生したり、雨の日が続いて太陽光発電の発電量が少なくなった場合、電力の安定供給が大きな課題となります。そこで、晴れた日や電気料金の安い夜間に蓄電(貯める)などして、必要なときに利用できればエネルギー自立型の住まいづくりが可能になります。

現在のステータス
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に力を入れるカーメーカー各社。住宅内のエネルギーを、効率よくEVやPHVに充電するシステムを開発しています。また、外からガレージに帰ってきた自動車が発電、蓄電した電力から、住宅内の電気をまかなう実験も進んでいます。
窓から取りこんだ昼の日射熱を床に貯め、気温が下がった夜に放射させたり、大きな庇で夏は陽射しを遮り冬は取り入れるといった具合に、エネルギーを使わずに快適に生活できるような工夫がされています。

スマートメーター!?

「電気料金は変動してもよいと思います。需要が多く供給の少ない時には高く、需要が少なく供給の多い時には安くすれば、供給が不安定な再生可能エネルギーが増えても、電力不足を起こさないように需要側で調整できるかもしれません」 スマートハウスの実現、普及に現時点で足りないのが「スマートメーター」です。スマートメーターとは、電力の消費データを自動的に計測し、時間ごとや日ごと、決められた周期でデータを電力会社に送信する機械のこと。現在の電気メーターの検針を、人ではなく機械がやってくれるイメージですね。これによって電力消費ピーク時の需要動向を把握したり、時間帯によって変動する電力料金プランの設定と適用、それに基づく利用抑制を自動化できるようになるのですが……。

「従来型の電気メーターには、10年に1回の検査が義務付けられており、すべての家庭用電気メーターをスマートメーターに交換するのであれば、いまこの瞬間から始めても最短で10年かかる計算です。ただ、人が生活の中に快適性や利便性を追求しなくなる日はこないでしょう。スマートハウス市場の急成長と共に、10年もかからず広く浸透する可能性もおおいにあります」

横浜みなとみらい地区で、スマート・ネットワークプロジェクト「観環居」の実証実験を実施。
次世代のライフスタイルを想定した、さまざまな技術を紹介しています。
WEBから見学をご予約いただけます。
http://www.sekisuihouse.co.jp/snpj-kankankyo/

もっとも大切なのは自分自身がどのような生活をしたいか

スマートハウス関連の市場規模は、2020年には18兆円を超えると試算されています(富士経済調べ)。これは2009年度実績の約11倍です。これほどの成長市場にいかにアプローチしていくか、ハウスメーカー各社がしのぎを削っているのです。

便利さばかりを追い求めると、自ら考える努力をしなくなる、人間的な衰えを呼びこむと危惧する方がいるかもしれません。ただ、人間はこれまでにもそうやって進化を遂げてきました。面倒や手間を省くのが快適性であり利便性です。それらの恩恵にあずかる生活は、あくまでライフスタイルの一例にすぎません。

「そう、あくまでも選択肢であって、もっとも大切なのは自分自身がどのような生活をしたいのかを明確にすることです。向こう10年の間にハード面だけでなく、人的な成長や将来設計などのソフト面を洗練させることで初めて、自宅がスマートハウスになるのではないでしょうか。

〔取材協力〕積水ハウス株式会社 環境推進部長 兼 温暖化防止研究所長 石田建一さん

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